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ここに2種類のネズミがいます。平原ハタネズミと草地ハタネズミです。
どちらもハタネズミの仲間で遺伝的に非常に近い仲間同士です。しかし、驚く
ほど性格が違います。
平原ハタネズミは、パートナーはひとりであるという一夫一婦で暮らしていま
すが、草地ハタネズミは大勢のパートナーをもつ多夫多妻で生活しています。

研究者達は、自然界で異なるパートナー選びをしている2種類のハタネズミ達
を研究室に連れて来て、彼らの間で何が異なるのかをじっくりと調べました。

今までの研究で、パートナー同士の結びつきの強さは脳内のバソプレシンおよ
びドーパミンという物質の量に関係があることがわかっていました。

研究の結果、やはり、平原ハタネズミと草地ハタネズミの脳内に違いがあるこ
とを研究者たちは見つけました。平原ハタネズミの脳内には、バソプレシンを
認識する受容体が沢山ありました。しかし、草地ハタネズミの脳にはあまりあ
りませんでした。

一方、ドーパミンを認識する受容体の量は、両方のネズミでほとんど変わりあ
りませんでした。

研究者たちは考えました。
「浮気症の草地ハタネズミは脳内のバソプレシン受容体の量が少ないから浮気
するんだ。それなら、バソプレシン受容体の量を多くするために遺伝子を身体
に入れてみよう。浮気症が治るかもしれない。」

可哀想な草地ハタネズミは捕まえられ、頭にバソプレシン受容体の遺伝子を入
れられました。遺伝子治療です。

遺伝子治療の効果をみるために、ちょっとしたテストをおこないました。
遺伝子治療された草地ハタネズミのオスに、まず、パートナーを与え1日一緒
に過ごさせました。そして、今度は、新顔のメスと最初のパートナーと一緒に
3時間過ごさせて、その間にどちらのメスと何回いちゃいちゃしたかを記録し
ました。比較のために、遺伝子治療されていない草地ハタネズミも同様にテス
トしました。

驚いたことに遺伝子治療された草地ハタネズミのオスは、明らかにパートナー
との方を好んだことがわかりました。おまけに、新顔のメスとの場合と比べて、
パートナーとはいちゃいちゃ時間も長かったのです。

また、草地ハタネズミのメスにとってもっと良いことがありました。
遺伝子治療の草地ハタネズミのオスは、治療後マイホームパパに大変身し、治
療前には見向きもしなかった子ネズミの世話を積極的にするようになりました。





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